12月3日より「THE FIRST SLAM DUNK」が公開となります!原作が完結してから、26年以上の時を経ての最新作。果たしてどこまでのヒットを記録するのでしょうか?
こちらの記事では主に公開前の興行収入考察、そして興行収入の速報値(推定)更新を行なっていきます!
興行収入速報は初週のみ毎日更新を予定していますので、気になる方は要チェックです!
(速報値のみ見たい方は目次より3番までスキップ推奨です!)
原作完結から26年の時を経て、今冬スクリーンに…!
2021年1月に制作が発表された「THE FIRST SLAM DUNK」。「SLAM DUNK」は週間少年ジャンプで連載されたバスケットボール漫画で、1億2000万部を売り上げた大ヒット作です。しかし、1996年まで放送されたアニメ版は原作を描き切ることなく最終回を迎えました。そんな中、約30年の時を経て再びアニメ化されるということで当時のファン中心に大きな話題となっているのです。実際、制作発表のツイートには40万近くもの「いいね!」がつき、その人気さを物語る数字となっていました。
【スラムダンク】
— 井上雄彦 Inoue Takehiko (@inouetake) January 7, 2021
映画になります!#slamdunkmovie pic.twitter.com/jWqvCnASxj
そして、配給の東映も「ONE PIECE FILM RED」が自社配給作品として歴代1位の記録を樹立するなど、かなり波に乗っている良い状況です。
コロナ禍後、圧倒的な勢いを見せている邦画アニメ業界。邦画実写作品は年間No.1になるような作品でも50億円が関の山ですが、なんとアニメ作品は100億円に迫る作品が何作も生まれているのです。
現在、新海誠監督の最新アニメ映画「すずめの戸締まり」も100億円突破確実と見られる大ヒットスタートを記録していますが、果たして「THE FIRST SLAM DUNK」は本当にメディアが煽るように100億円確実なのでしょうか?
当時のファンを中心に圧倒的話題!

© 2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners
まず冒頭でも触れましたが40万を越える異次元の「いいね!」数を記録していることから注目度は非常に高いことが伺えます。例を挙げると、
「鬼滅の刃 無限列車編」制作発表…21.2万いいね
「劇場版 呪術廻戦 0」制作発表…38.7万いいね
このように他のジャンプ作品としてもその数は全く引けをとらないものとなっています。
Youtubeの再生数も、
「THE FIRST SLAM DUNK」…690万回
「すずめの戸締まり」…560万回
※全て公開直前のもの
かなりの数あることがわかります。
その人気を裏付けるデータとしてこちらのアンケートを取り上げます。ねとらぼ調査隊でのアンケートで、10代〜60代の323人に取ったアンケートになります。まず、全年代の人気作品ランキングですが、「SLAM DUNK」はここで1位。30代、40代のランキングでも1位となっています。

しかし、10代〜20代のランキングでは「ONE PIECE」が1位となっており、「SLAM DUNK」はランクインしていません。ここに大きなジェネレーションギャップがあるように感じます。
こちらマイナビニュースの15000人の全世代に取ったアンケートでも、その人気がデータとして表れています。こちらは10年前のアンケートなので、それぞれの世代に10歳プラスで見てみましょう。実際のアンケート結果を見てみると20代「7位」→30代「5位」→40代「2位」と世代によって大きく順位が異なっていることがわかります。
次にマイナビフレッシャーズによるこちらのアンケートでも、20代のランキングの2位に「SLAM DUNK」がランクイン。5年前のデータであることを踏まえると今の30代にあたる人も多いことがわかります。やはりここでも1位は「ONE PIECE」です。このように30代前半辺りが世代を分ける境界となっていると推測できます。

ここでコロナ禍後ヒットしたアニメ作品を見て行くと、100億円を越える大ヒットを記録したアニメは「ONE PIECE」「鬼滅の刃」「呪術廻戦」など比較的若い年齢層のファンが多い傾向のある作品が多くなっているのです。特に「ONE PIECE」や「鬼滅の刃」は子ども層からの人気も高く、家族で鑑賞するパターンも多いため幅広い世代のファン獲得につながります。
正直子供世代から親世代への年齢幅の広がりに比べると、親世代から子供世代への広がりはやや小さいでしょう。ターゲット層いかにして若い世代に訴求するかが今作のキーポイントとなります。
話題性が高い一方、不安な面も…
大きく話題を集める「THE FIRST SLAM DUNK」ですが、その一方で不安な面も抱えている今作。もちろん話題が大きいほど批判の声も比例して大きくなるケースは多いですが、今回に関しては公式Twitterが声明を上げるほど様々な意見が飛び交いました。果たしてその点は映画の売上に響いてくるのでしょうか。
声優交代でファンからは批判の声が…

© 2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners
大きく問題として多くのファンが嘆いていないのは、声優交代問題。主人公たち主要キャラの声優総入れ替えが発表になったのです。確かに30年ほど前の作品ではありますが、新しい声は原作ファンには抵抗があったようで大きく批判が集まりました。また、その主要キャラの1人である赤木剛憲の声優が先日亡くなった際も公式は一切声明を出しませんでした。他にも制作スタッフのインタビューでは作品を馬鹿にしたように見える部分が切り取られるなど、原作へのリスペクトがないと訴える批判の声に追い風が吹くような状況となっているのです。また、この批判が起こる前にほとんど情報解禁をしないまま、前代未聞の公開1ヶ月前から座席予約をスタートさせたことも火に油を注ぐ形となりました。
フルCGアニメへの抵抗は…?
ジャンプ作品ヒットの波に乗り「ONE PIECE FILM RED」は180億円を越える大ヒットを記録しているその一方で、実は同じく東映制作「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」は、2013年「神と神」から始まったドラゴンボール映画シリーズの過去最低成績となってしまったことも気になるポイントではあります。
2013年から数年間隔で公開されてきた「ドラゴンボール」の映画シリーズですが、「神と神(29.9億円)」→「復活のF(37.4億円)」→「ブロリー(40.0億円)」と数字が右肩上がりで数字を伸ばしてきました。そのことを踏まえると「スーパーヒーロー(24.9億円)」で大きく数字を落としてしまったことはかなり引っかかるポイントではあります。そしてその原因ですが、個人的にはフルCG作画だったという点が大きくファンが離れてしまった原因なのでないか、と推測します。確かに世界展開も視野に入れるとフルCGの方が親和性は高いかもしれませんが、「鬼滅の刃」「呪術廻戦」などの手描きアニメも十分世界で戦えていますし、むしろそれが日本アニメの良さなのではないかなと思います。その点、今作もおそらくフルCG作画である点は一定のファンから抵抗があるかもしれません。
明かされないシナリオ、しかし人気エピソードが濃厚?
今作の大きな特徴として挙げられるのは作品の内容がほとんど明かされておらず、試写会なども開催されていないという点でしょう。ただし、この点に関してはファンの考察が進んでおり「山王戦」のエピソードが描かれるのではという意見が多くなっています。
「山王戦」とは、主要キャラ率いる“湘北高校”がインターハイ3連覇中の強豪校“山王工業高校”とインターハイ2回戦で戦うという話で、原作で最後に描かれた試合となっており、ファンからも最も人気の高いエピソードとなっています。アニメ版はインターハイに進むというところで終わってしまったため、ファンからは長い間アニメ化希望の声が上がっていました。

© 2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners
しかし、最後のゲームを描くと仮定して場合、題名に「THE FIRST」と入っているのに少し違和感があるのも事実。試合を二分割するのか、あるいは原作では描かれなかったその後の全国大会を描くという意図もあるのでしょうか?
どちらにしてもファンから定評のある「山王戦」が描かれた場合はシナリオ面も問題なく、見応えのあるストーリーになると考えられます。また、そうでなかったとしても原作者・井上雄彦が原作と脚本、監督を務めていることありますし、ファンの期待に応える作品を届けてくれるのではないでしょうか。
強敵ひしめく年末商戦…

© 2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners
上映館数は378館と超大規模公開で、1カ月前の座席予約システムもあったことから初週はある程度の座席を確保できていますが、やはり配給が東映で東宝ほどの配給力がないことから、座席数のキープはかなり厳しいものになってくるのではないかなと予想します。
というのも、現状大ヒット中の東宝配給「すずめの戸締まり」は「THE FIRST SLAM DUNK」の公開日である12月3日に入場者特典第2弾を持ってくるなど、かなり好戦的で譲らない姿勢を見せています。また、東宝は「ラーゲリより愛を込めて(12/9公開)」「Dr.コトー診療所(12/16公開)」「ブラックナイトパレード(12/23公開)」と毎週新作が控えている状況です。
また「アバター ウェイ・オブ・ウォーター(12/16公開)」も大ヒットが予測されており、かなりの強敵となりそうです。
まとめ+最終予想
ここまでの話の流れをまとめて、最終予想に入ってみましょう。
・声優交代、CG作画で抵抗を示すファンも
・原作の人気エピソードが描かれるとの考察
・競合作品は多め
話題性は圧倒的で、1カ月前の事前販売の時点でかなりの売上となっていました。また、ムビチケも通常一般の料金1500円で販売することが多いですが、通常の鑑賞料金と変わらない1900円で販売するなど強気な姿勢が伺えます。しかし、若年層への訴求は作品の内容次第と言った形で入場者プレゼントの情報もないため、リピーターの数も限られると推測します。
あるメディアでは100億円が確実視されているとの意見もありましたが、個人的にはやや懐疑的です。理由としては全年齢型作品でない点、配給も東映で競合も多く、入場者プレゼントもなさそうであることから「シンエヴァ」のようなロングラン施策も難しいと言う点、タイアップもほとんどなく宣伝費も抑えられている点が主な理由として挙げられるかと思います。
しかし、原作者の監修するストーリーということで期待感も高く、初動の勢いのまま50億円到達の可能性はあるのではないかと予測します。
初動成績予測
初動成績…10億円~12億円
最終成績予測
最終成績…45億円~50億円
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
興行収入速報(※推定値)
139億6500万円(5月8日現在)
興行収入推移
公開日数 | 興行収入 |
---|---|
2日目 | 12億9580万円 |
9日目 | 30億3549万円 |
16日目 | 41億8880万円 |
23日目 | |
Coming soon…
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